2025/10/19

月1,000円かかるサービスをCloudflareで0円にした話

完全移行の背景

今年のGWにまとまった休みを使って「すぐポチアンケ」という会員登録不要のアンケート投票サービスをリリースしました。 勢いで始めた個人開発だったので、利用者0人でもいいやと思っていたのですが、さすがにこのままランニングコストがかかり続けるのは嫌だな、コストを理由にサービスを閉じたくないと思い、Cloudflareに完全移行しました。

すぐポチアンケ

移行前の構成

  • ホスティング:VPS(Railway) - 約7ドル(約1,000円)/月
  • ドメイン:AWS Route 53 - 約100円/月(年額1,200円)
  • データベース:MySQL(Railway)
  • フロントエンド: Vue.js(Laravelプロジェクト内で実行)
  • バックエンド: Laravel

合計: 約1,100円/月(年額13,200円)

当初開発した時もコストはとにかく抑えたいと思っていました。 Cloudflare Workers/Pagesがあることは知っていましたが、普段使っているLaravelをそのままデプロイできず、バックエンド部分をJavaScriptに書き換える必要があったので、断念してRailwayを使っていました。 RailwayもGitHub連携すれば楽にデプロイできるので、気に入って使ってました。 構成は、上記の通りでLaravelプロジェクトを立ち上げた後、その中でVue.jsをインストールして使うというモノシリックなサービスでした。

Railway

Cloudflare移行の決め手

1. 無料プランで十分

  • Cloudflare Pages: 無料で静的サイトホスティング
  • Cloudflare Workers: 月10万リクエストまで無料
  • ドメイン管理: 無料

2. パフォーマンス向上

  • 全世界にCDNが展開されている
  • レスポンス速度が大幅に向上
  • 自動的な最適化

3. 運用コストの削減

  • サーバー管理が不要
  • 自動スケーリング
  • セキュリティ機能が標準搭載

なぜHonoなのか

  • 最近HonoXでブログを作って、HonoというWEBフレームワークをより実用的に使ってみたいと言うモチベーションがあった
  • Cloudflareの無料枠ならコストを最小限にできると思った
  • CloudflareとHonoの連携がとても楽
  • 気になっていたはいたものの、触る機会が無かった

移行後の構成

  • ホスティング(フロントエンド):Cloudflare Pages - 0円
  • ホスティング(バックエンド):Cloudflare Workers - 0円
  • ドメイン:AWS Route 53 - 約100円/月(年額1,200円)
  • データベース:Cloudflare D1 SQLデータベース
  • フロントエンド: Vue.js
  • バックエンド: Hono(TypeScript)

合計: 約100円/月(年額1,200円)

まずランニングコストをドメイン料だけで抑えることができるのが大きかったです。 Cloudflare Pagesは無料、Cloudflare Workersはフリープランで1日10万読み込み、1,000書き込み・削除無料なので、実質ドメイン料しかかかりません。 また、ほぼリレーショナルデータベースしか使ったことがないのですが、Cloudflare D1 SQLデータベースがあるので、何も困りませんでした。 移行前の構成と比べて、フロントエンドとバックエンドを独立してデプロイすることが必要でした。

学んだこと

1. 疎結合(マイクロ)なサービス開発の勉強になった

フロントエンドとバックエンドをどう繋ぎ込むか、マイクロサービスにすることで技術選定、移行もすごく楽にできると感じました。

2. 自分でSQL叩いてテーブルを作る必要がある

これまでRailsやLaravelをメインに仕事でも使ってきました。 これまで「マイグレーション」という機能でSQLを直接触らなくてもデータベースにテーブルを追加できていたので、そのイメージで開発してたら「あ、本来テーブル作るのってSQL叩くんだった」と原点に立ち返った気分になりました。

3. 個人開発はとにかく0円で開発することを意識する

今回は月1,000円かかってるサービスを0円にすることができました。 欲を言うとドメイン自体もCloudflareのデフォルトドメインで十分だったと思います。

4. Cursorやばい

CursorというAIコーディングエディタがあるのですが、Github Copliotと比べて、より自動的に問題を解決してくれる体験をしました。 また、GitHubリポジトリのReadmeも全部CursorのAIを使って作ってもらいました。

readme

まとめ

今回は、Laravel+Vueで月1,000円かかっていたサービスをCloudflareに完全移行して月0円にする取り組みについて、記事を書きました。 現状の課題は、Hono, TypeScriptを使いこなせていないのと、7割くらいはAIにコーディング任せてるのでコードが整理できていないことです。 利用者0人のサービスに月1,000円かけるのは確実に無駄でした。もっと言うと、完全に0円で始めるべきだなと思いました。 せっかくAIが発達してきてるので、最大限活かして世の中のためになるライブラリ、サービス開発をもっと頑張ろうと思います。